中国のコロナ政策の緩和&感染拡大を懸念して、世界各国で中国からの渡航者に対する水際対策が強化されています。これに対して、中国は報復する意向を示しています。
中国は同国からの渡航者に一部の国が新型コロナウイルス関連の制限を課したのは「政治目的」だと主張し、報復する意向を打ち出した。中国政府は感染拡大を容認しているとはいえ、新型コロナが依然として当局にとって政治的に敏感な問題であることが示唆される。
Bloomberg 2023年1月3日 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-03/RNWS6VDWRGG001
国家間の外交問題なので、我々庶民には関係ないことのように思えますが、海外出張/旅行する方は要注意です。私はアメリカで「報復措置(?)」のせいで、入国時に罰金を払わせられた苦い経験があります。
アメリカ入国時にレトルト食品でまさかの事態
約20年前になりますが、仕事の出張でアメリカに入国した際、ニューヨーク(JFK)空港の税関で抜き打ち検査を受け、罰金を払う羽目になりました。
場所:ニューヨーク空港(JFK空港)の税関
指摘内容:「肉」も持ち込んでいるのに税関申告書に記載していないことによる虚偽申告
罰金額:300ドルの罰金
上の指摘内容だけ見ると、虚偽申告したのだから当然だろうと思われるかもしれません。ただし、私が指摘された「肉」は、レトルトカレーに入っている肉です。確かに、レトルトカレーのパッケージの「内容物」を見ると、「豚肉」と記載があります。税関職員からは、この「豚肉」を持っているのに税関申告書には、「肉」を持っていないと記載しているので、虚偽申告にあたると言われました。正直、言いがかり以外の何物でもありません。もちろん加工食品なのだし、税関申告するような「肉」には該当しないだろうと抗弁しましたが、職員は虚偽申告の一点張り。
30分ほど、パスポートを取り上げられて、税関にとどめ置かれ、300ドルの罰金を払って解放されました。ただし、罰金の記録が登録されたようで、帰国時にも、入管職員から「入国時に違反しているとので手荷物をチェックします」と言われる始末・・・
アメリカの狂牛病(BSE)問題と日本の牛肉輸入規制
2000年代初め、アメリカではいわゆる狂牛病(BSE)が発生し、日本はアメリカからの牛肉の輸入を規制しました。その後、日本はアメリカからの牛肉輸入再開に二の足を踏んでいました。
2002年で、アメリカの農産物販売額は20兆円、このうち牛肉産業は4分の1を占める5兆円で、農業分野では最大の産業となっている。牛肉生産量は860万トン、このうち78万トンが輸出されている。その最大の輸出先が日本で22万トンである。アメリカが牛肉輸出再開に熱心になる理由がここにある。
出典:独立行政法人経済産業研究所 https://www.rieti.go.jp/jp/papers/contribution/yamashita/22.html
上記のような背景の中で、私はレトルトカレーの豚肉で罰金を科せられました。会社の人にこの件を離すと、「きっとそれは牛肉輸入にかかわるアメリカから日本への嫌がらせだよ」と言われました。もちろん、嫌がらせの証拠はなく、推測の域を出ない話ではあります。ただし、当時そのようなうわさがあったようです。
今回のコロナにかかわる中国の「報復措置」がどうなるのか知りません。また今後、同様なことが世界のどこかで発生し、どこで巻き込まれるかわかりません。私のような事例があったということを、頭の片隅に置いておくとよいと思います。
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