最近、日本では「30年賃金が上がっていない」、「安い日本」なんてことをよく耳にするけど、海外出張者にも影響しているの?
安い日本と言うよりも、弱くなった日本円を痛感する
出張時に安いホテルを選ぶ、豪華な食事を控えるなんてことが頻繁に・・・・
最近、日本では「30年賃金が上がっていない」、「安い日本」なんてことをよく耳にします。頻繁に海外に行っている筆者の印象として、本当にその通りだと思います。そして、海外出張に伴う金銭的メリットも縮小しています。しかし、日本だけにいると、さまざまなものが値上げしているので、日本の安さを実感しにくいと思います。
そこで海外との物価比較として、ビックマック指数と為替レートをもとに、海外出張者の視点で「安い日本」の嘆きを紹介したい思います。
ビックマック指数から見えてくる日本の位置
ビックマック指数とは、マクドナルドのビックマックが各国でいくらで販売されているかを比較した指標です。下のデータは、2021年のビックマック指数をUSD1=140円で、日本円に換算したものです。簡単に言えば、世界各国のビックマックの値段です。
値段の高い順にみると、1位はスイスで939円、2位はノルウェーで876円です。日本はと言うと65位で396円です。スイスやノルウェーのビックマックは、日本の2倍以上の値段となります。もし皆さんが出張や旅行でスイスに行ったら、マックでビックマックを食べるのに、約1,000円かかります。食べる気になるか、微妙ですね。
ちなみに他のG7各国はと言うと、以下の通りで、いずれも日本よりも高いです。G7では日本が最下位です。
- カナダ 5位で735円
- アメリカ 6位で721円
- フランス 16位で668円
- ドイツ 17位で668円
- イタリア 20位で668円
- イギリス 38位で662円
- 日本 65位で396円
アジアを見ていくと、中国が55位で498円、韓国が56位で490円、タイが490円、香港が68位で375円、マレーシアが343円です。日本よりも中国、韓国、タイのほうが高いんです。一昔前であれば、アジアはご飯が安くておいしいというのが定番でしたが、今では必ずしも安いとは限りません。
円安に伴う日本人海外出張者の嘆き
以下のデータは2000年以降の日本円-USドルの為替レートの推移です。2023年のデータは暫定的に140円としています。最も円高だった2012年の79.7905円と比較して、2023年は140円に下落しており、円の価値が0.6倍に低下しています。2022年からの急速な円安を実感しています。
まとめ
筆者は、年間に5回~10回の海外出張をしています。会社からもらう海外出張手当は「円」でもらっています。また海外出張手当はこの20年変わっていません。このため、最近は海外出張手当が足りないと実感しています。実際に、以前に比べて「宿泊するホテルのレベルを下げる」、「豪華なディナーが食べれない」など円安を肌身で実感しています。2012年ごろは、出張に行くと使わなかった出張手当がかなりの額、手元に残っていました。しかし今では、ほとんど使い切ってしまいます。海外出張に行くことの金銭的なメリットが、ほどんどなくなっています。
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